なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
あーほら。
下校途中の女子達が頬を染めながら「金城くーん!バイバーイ」とか言って手振っちゃってますよ。
当の本人ガン無視ですけどね。
その光景をじと目で見ながら、ピンク色の頬をプックリ膨らませている山下さんは、
栗色の癖っ毛混じりのショートヘアに、色白の肌。
背が小さくて華奢で、いかにも男の子にモテそうな可愛い系女子だ。
「金城先輩っ。無駄にモテないでくださいよっ!私、ヤキモチやきますっ!!」
山下さんはどうやら金城くんに恋愛感情を抱いているらしく、それを包み隠そうともせず金城くんに絡むから、
「知るか。別にモテたくてモテてんじゃねー」
「モテたくないのにモテてるとこが問題なんですよっ!」
「はー?意味わかんね。ピーピー騒ぐなチビ助が」
「チッ…!?金城先輩のばかーっ!!」
クール金城に毎度撃沈されている。
「山下さん。泣かないの。金城くんがこうなのは今に始まった事じゃないでしょ。そろそろ慣れなさい」
「でもぉー!花枝せんぱーい!」
泣きながら抱きついてくる山下さんの頭をよしよしと撫でながら、ふたり分のシャベルを手に取り差し出す。
「さ。始めるよ」