なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

だからってわけじゃないけど、年下男子なんて全く恋愛対象に入らない。


大体、長瀬なんてうちのバカ長男と同い年だし?(ちなみにさっき勝負パンツがどうのとか言ってたのがバカ長男)


無理!


絶対無理!!


弟として見るのがギリギリ!!


それに、金髪とか!ヤンキーとか!そういうの本当苦手だし!


そうそう!


だから、どちらにしろあいつの気持ちには応えられないんだし、これでよかったのよ!!




……それなのに、なんでこんなに胸の奥がズキズキするんだろう?





最寄りの駅までの道のりを歩いていると、


––––RRRR……


突然鳴り響くスマホの着信音。


「いけない。マナーモードにしてなかった」


慌ててスマホのディスプレイを確認すると、そこには“山下さん”の表示。


こんな時間に山下さんから電話がかかってくるなんて珍しいな。


どうしたんだろう?


「はい」


「花枝先輩ぃぃぃぃ!!!!」


電話の向こう側から絶叫する山下さんの声が聞こえてきて、私は慌ててスマホから耳を遠ざける。


こ、鼓膜が破れるかと思った。


「山下さん?どうしたの?」


「先輩っ!!長瀬が…長瀬がぁぁぁ!!!」


「へ?長瀬?」
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