なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
切羽詰まった様子の山下さんの声の後に、ガサガサと耳障りな雑音が聴こえてきて、その遠くで「…––。なに…––てんだよ」と、何かを言っている男の声?
山下さんと口論してるようにも聞こえる。
というか……この声って……まさか……。
「長瀬?」
『貸せ……あーセンパイ?なんでもねーから気にすんな』
「は!?意味分かんない!!そこで何してるの!?山下さんはどうしたの!?」
『…センパイもう外?』
「当たり前でしょ!?今日は朝から美化委員の仕事が……って違う!!質問に答えなさい!!」
『なんだよはえーな。もう出たのかよ。センパイ早くこなくていーから、どっかで糞でもしてから来て』
「んなっ……!?」
はぁぁぁぁ!?!?
今こいつ、なんつーデリカシーのないこと言った!?!?
『じゃ』
「ちょっ…!!待ちなさい!!長瀬!!長っ……」
…………切られた。
……なぜだ。
何であいつが山下さんの電話に出た?
そもそも、何であのふたりが一緒にいるわけ?
額に手を当て考えるけど、いくら考えたって全く状況が掴めない。
ただ、山下さんの様子からして、何かまずいことが起きてるのは間違いなさそうだ。