なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
「花枝先輩、今日もひとりで校内清掃まで済ませて来たんですか?」
「ざっくりね」
「さすがです!私達、参加が遅くなってしまってすみません!」
「いいのよ。クラスの用事が優先なんだから。山下さんと金城くんは参加してくれるだけも助かってる」
ザックザックと花壇の土を掘りながらそう言えば、山下さんはまた頬を膨らませて、
「委員の他の人達は、委員会をなんだと思ってるんですかねっ!」
なんて言いながら、“プンスカ”という効果音がつきそうなほど怒っている。
「美化委員なんて地味な仕事が多いからな。取り敢えず何か委員会に入らなきゃってなって入ったはいいが、任された仕事以外はやる気ないんだろ」
「そんなもんですか!?他の人達なんて、気付いた時だけ、校内の飾られた花の水換えしてるくらいですよー!?」
金城くんの言う通り、美化委員の仕事に真面目に取り組んでいる人間なんて私達くらいのものだ。
大概が委員会決めの時に“楽そうだから”みたいな理由で立候補するんだろう。
まぁ、確かに普段手が足らないほどの仕事があるわけでもないし、“団結して活動をしなくちゃならない”みたいな事もあるわけでなし。