なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
「と…とにかく!言うこと聞くも何も、あんたはこんなことしなくていいのっ!!」
「やだ」
はぁ!?
お前はどこの駄々っ子だ!!
「やだじゃなくてっ!これは私の仕事なんだってば!あんたに手伝ってもらうことなんて何もないって言ってるの!!私がいいって言ってるんだから、ほっといてって……」
最後まで言い終わらないうちに、私の言葉は封じられてしまった。
長瀬の………唇によって–––––。
目を見開いたまま、放心状態で固まる私。
私の唇から、ゆっくりと離れていく長瀬の唇。
それを見ていた山下さんは、ムンクのごとく顔面崩壊。
何が一体……どうなってるんだ……。
「…センパイうるせぇ」
吐息のように漏れる長瀬のその憎たらしい言葉に、頭の中では“なんだと!?”って言葉を叫んでるのに、リアルの私は金魚のようにパクパクと口を動かしているだけで、全く言葉が出てこない。
「ほっとくかよ。バーカ」
「な…な…」
長瀬はそう言うと、私達に背を向けて校舎の方へと消えて行ってしまった。
何が起きたんだ!?!?!?