なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
だけど、放課後何一つ美化委員の仕事が残されていなかった辺り、あいつの言った『ほっとくかよ』という言葉が本気なのが見て取れる。
私のやる仕事、全部奪う気だな…あいつ…。
いや、そもそも放課後の仕事がなんでもう終ってるんだ。
授業サボって仕事してたとしか思えない。
そうやって意地になる所がガキだっていうの!
授業くらいまともに出なさいよ!
あの不良小僧め……。
–––––ガシッ!
「で?」
「え?」
「久々に帰りが一緒なんだし、そこのカフェにでも入って、詳しいこと聞かせていただきましょうか?」
私の肩に腕を回す茉莉の目は怪しげに光っている。
人事だと思って、絶対楽しんでるな……。
「今日は用事が…」
「さぁ!レッツゴー!スターマックス!!」
「ちょ…」
「丁度新作のフラペチーノ飲みたかったのよねーっ!!」
茉莉に腕を掴まれ、無理矢理店内に引きずり込まれた。
*
「長瀬とキスした!?!?」
「茉莉!!声っ!!声がでかいっ!!」
慌てて茉莉の口を塞ぐけど、遅かった。
周りの人の視線が容赦なく突き刺さる。