下手くそな恋を泣きながら
素直になりたい
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「私って男を見る目がないのかも・・・・」
一人言を呟いた更衣室。
あのあと部長とキス以上の何かがあったわけではない。
何かあったと言えば・・・・
キスをしたあと冷静になった私達は言い表せないきまずさでその後、なんの会話もなく別れた。
週明けの今日、やっぱり部長はいつも通り仕事していて、恥ずかしくて、気にしていたのは私だけだったようだ。
春坂先生からもその後、何の連絡もない。
「経験の少ないあんたごときが男を見る目がなくて当たり前。」
いつの間にか更衣室に着ていた佳苗先輩に聞かれていたらしい。
私の後で、鼻で笑う声が聞こえてきた。
嫌な人に聞かれてしまったものだ・・・。
ため息だけついて、何も言わない私に、佳苗先輩は続けた。
「好きになった相手がどうしようもない相手なら早く忘れなさい。
忘れられないなら、あんたもその男と同じ穴の狢。せいぜい頑張るだけよ。」
それはそうかもしれない。
忘れられるくらいなら
春坂先生への気持ちはなかったことにしたいくらいだ。
どうせ届かない想いなら
届いたとしても叶わない想いなら・・・
でも違うんだ。
届くとか
届かないとか
そんな理屈で好きになったわけじゃない。