下手くそな恋を泣きながら
こんなにも華やかな写真が私にはモノトーンにしか感じられない。
写真をめくると
まだ新郎新婦入場前の式場の中が写された写真が数枚でてきた。
式場の雰囲気だけでときめいていた友達がなぜか私の分まで焼き回してくれたんだっけ・・・
特別、気にも留めたこともなかったその写真を眺めていた時
その写真の中に、部長の姿を見付けて鼓動が跳ねた。
「そっか・・・そりゃそうなんだよね・・・」
春坂先生の友達である部長がここにいるのは当たり前だったんだ。
今より若い部長は隣に座っている男友達と何か楽しそうに笑ってる。
そんな様子が写真の隅に写されていた。
そうだったんだ。
あの日、私も部長も春坂先生の結婚式で同じ場所にいたんだ。
考えてみたら当たり前なことが
現実として受けとめるとなると不思議で堪らない。
今よりも若い部長。
もしもこの時出会っていたら・・・今のような関係はなかった。
そう思うと
運命の悪戯のように思えてならない。
「この頃は部長もギリギリ20代か・・・」
ぼんやり見つめた先の過去の部長は、今よりも随分若くて、爽やかで・・・格好良いと思う。
今も・・・独身なだけあって同年代と比べたら若々しくて、格好良いだろうけど・・・。
さっきの出来事が再び甦り、涙が溢れる。