下手くそな恋を泣きながら
恋敵~彼に溺愛されて~
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清々しい朝を・・・・
目覚めるとそこは部長の部屋で
目が覚めて一番先に飛び込んできたのはベッドの端に頬杖ついて超不機嫌そうに私を睨み付ける部長の顔だった・・・。
「えっ⁉あれっ⁉なんで⁉」
慌てて飛び起きて記憶を辿っても、先生の車に乗り込んですぐ後からプッツリ記憶がない。
「おはよう・・・幸せそうな夢を見ていたようで俺も嬉しいよ」
嬉しいとは程遠い。
目の下にクマ作って、めちゃめちゃ低いトーンでそんなことを言われたら
体中から血の気が引いてく。
「ごめんなさい。私、全然・・・なんでここにいるのかもっ・・・」
両手でわしゃわしゃ頭を掻きながら、どうにか思い出そうとしても、どうやってここに来たのかさえ分からない。
白紙だっ!!
そう、例えるなら、昨日車の中で寝てしまってからの記憶が白紙というやつだっっ!
「・・・部長?」
私を睨み付けるその顔をおそるおそる振り返る。
「別に昨日のことは何も聞くつもりはないけどっ・・・」
そう言うなり直ぐに私の腕を荒々しく掴むと風呂場に突込み
服を着たままだというのに
頭からシャワーをかけられる。
「あいつの匂いなんかつけてんなよ・・・」
静かに怒る部長に、最早、大人の余裕など感じられない。