下手くそな恋を泣きながら



何も変わらない態度は昔のまま


大人になった私を未だ子供扱いしているように見えた。




それに対して

なぜか傷ついている私自身に気づいた時


先生に失恋してから初めて交際した元彼にも反応しなかったこの心が

職場でどんな男性と出会っても反応しなかったこの心が


変わらない先生との再会を前に


泣きそうなほど


痛くなっていた。




嬉しいのに

今さら期待なんかしないのに

ただの思い出に変わっていたはずなのに



会いたくなかったと・・・

会うのがこわかったと・・・


私意外の人と幸せそうにしてる先生の姿なんか見たくないと・・・


どこかに隠していたわがままがの爆弾の導火線に

火をつけた。




結婚式でも泣くのを我慢できたのに


今さら

我慢できないくらいに

涙が溢れてしまいそうなのは

先生が昔と変わらなかったからかもしれない。



「彩葉?

どうした?

もしかして・・・何か悩みがあるのか?」



昔、友達と喧嘩した私にかけてくれた言葉と同じ。


先生は何も悪くないのに


勝手に恋をして

勝手に失恋して


私が悪いだけなのに・・・


先生に伝えることのできなかった「好き」の言葉が今にも飛び出してきてしまいそうになる。


< 17 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop