下手くそな恋を泣きながら
「先生に・・・名前を呼ばれる度にドキドキしたこと覚えてる。
ただの出席確認なのにね。
本当、先生に会いたくて、一度も学校・・・休んだことなかったんだよ。」
簡単に浮かぶ春坂先生の姿。
優しいだけじゃなくて、たまにはもの凄く厳しかった。
だけど、凹んでることに誰よりも先に気がついてくれるのも春坂先生だったんだ。
「先生の事が好き。
・・・子供は恋愛対象じゃないって言葉を聞いてから
早く早く大人になりたかった。
時間なんて飛び越えて、直ぐに先生に気持ちを伝えられる土俵に立ちたかった。
大人になるまで待っててくれないなら・・・」
待っててくれないことを知っていたら・・・
私には気持ちを伝えるほどの勇気があっはただろうか。
「恐かったんだ。冗談で流されるならまだしも・・・本気で拒まれるかもしれないこと考えたら・・・」
先生にだけは嫌われたくなかった。
苦手な数学も
先生に頭悪いと思われたくなくて頑張れた。
知ってた・・・?
先生に認めてもらいたいだけで
中学生のまだ子供な私でも・・・
振り向かせるために
振り向いて欲しくて・・・
自分の限界ぶち壊せるって信じて何でも頑張れた。