下手くそな恋を泣きながら
一人占めしたいのに
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思いもよらないメールが届いたのは部長と別れて家に帰宅してすぐのことだった。
送り主は春坂先生。
初めてきた先生からのメールにドキドキが止まらなくて
早くメールをひらきたいようで、もう少しこのときめきに浸りたいような、新鮮なわくわくが私の中を一杯にする。
部屋の電気もつけ忘れて
暗がりの中
自分の鼓動を耳元で聞いているような気分だった。
何度も深い深呼吸を繰り返して
送り主である春坂先生の名前を指でなぞる。
先生からのメールが届いた。
それだけで天にも昇るような幸せを噛み締めながら、ようやく私宛に届いたそのメールを開いた。
春坂です。
昨日は三人で飲み会楽しかったね。
また、機会があれば三人で飲もうな。
三人でってところが引っ掛かるけれど、そんなこと、どうでもいいくらい嬉しい言葉。
メールを何度も読み返しながら部屋の明かりを点けて
昨日とは反対に
幸せ過ぎて眠ることができなかった。
ただの片想い。
だからこそこんな些細なメールで幸せになれるのは
好きな人がいて、初めて感じられる喜び。
ずっとずっと知らなかったこんな気持ち。
初恋の
片想いの続きは
ちゃんと始まっている。