下手くそな恋を泣きながら

狭い寝室を占拠する大きなベッドに先に入った部長。

「おいで。」

言われるままベッドに潜ると部長の温かい腕枕。

眠たくて

もう

目をあけるほどの力もない。

遠くで携帯が鳴ってる音が聞こえて

おもむろに伸ばす手。

「あいつとなんか連絡とるなよ」

耳元でそんな声が聞こえたような

聞こえなかったような・・・

いつの間にか心地よい微睡みに意識が遠退いていった。




夢の中

いつかの結婚式

青空に吸い込まれてく色とりどりの風船を見上げた。


悲しくて

悲しくて

涙が溢れて俯いた

さっきまで

二人を祝福していたたくさんの人影が気づけばい消えていて

顔をあげたその先に

部長の姿が見えた。




「俺がいるよ。」

まるで

そう言ってるように優しく頬笑む部長に抱き締められて

溢れて止まらなかった涙が

いつの間にか乾いていた。

部長がいてくれて


良かった・・・。





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