下手くそな恋を泣きながら


都会と田舎の中間あたりのこの街では、晴天の夜空にはいつもちらほら星が見えている。


だから、わざわざ見に行くほど珍しいものでもないだろうけど、予想外にうきうきしている部長のに水を指すことはできなくて仕方なく頷いた。



もうここからは部長のプラン。

星というロマンにかけ離れたコンビニのおにぎりを買って車に乗り込む。

「宇宙飛行士になりたかったなー。」なんて部長の子供時代の夢を聞きながら。


「宇宙飛行士なんてやっぱり男の子ですね。

私は小さい頃は看護士になりたかったですよ?」

「森山は看護師は似合わないな・・・」

「どういう意味ですか・・・?」

「そのまんま。注射の時とか迷わず血管外してグサッと刺しそうで恐ろしい・・・」


「まあ・・・どうでしょうかね」

適当な性格を言い当てられてしまって言い返せない。

「私は今の仕事が一番合ってるんですかねー・・・」

なんとなくぼやいた言葉。

「それもそれでどうだろう」と腹立つ返事。

「じゃあ部長は私ならどんな仕事が似合うと思うんですか?」

腹立つからちょっとムキになって聞いてみた。

そしたら

「お嫁さん?」

なんて言うから

恥ずかしくなって

何も言えなくなって

寝たふりをした。



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