下手くそな恋を泣きながら
諦めの早い私は
たどり着いたこの公園を少し探検してホテルに戻ることを決めた。
去るものは追わない。
期待しない。
執着しない。
心がけてこんな性格になったわけじゃないけれど
気付けばこんな性格になっていた。
友達からもよく、適当だね。なんて言われるほど
何かに夢中になったりなんかしない。
チャレンジとか挑戦とか
そういった類いのことはあまり好きじゃない。
簡単な努力くらいはしてもいいかな。と、思えるけれども必死なるほど努力はしない。
努力なんて言葉よりは諦めが肝心。と言う言葉のほうがすんなり理解できる。
小さな期待をしていても諦め半分な気持ちでいれば嫌な事も傷が軽いうちに忘れられるし終わらせることができる。
カップルや家族連れ、友達同士なんかで賑わう公園を携帯片手に歩いていく。
休日にこんな場所に一人で来るのは私くらいなものだろうか。
右手の並木通りの先にきらきら光る池の水面を眺めながら歩いていくと
突然、髪の毛をさらってしまうような突風が吹いて
私の歩いてる道の先でさっきの風船が舞い上がった。
「池に落ちたんじゃなかったんだ・・・」
今度はのんびり歩きながら
舞い上がっては落ちてを繰り返す風船を眺めていた。