男嫌いな女王様とクールな臣下
「そんなの、どこにでもあることじゃないの」
まったくもう。
そんな一部署の細かいことなんか、社長の私にわざわざ言いに来ること?
「うん。でもね、朱音。私は、あなたに彼を頼みたいの。だから、そばに置いて、ここで使ってあげて」
「うちにだって、一応システム部はあるよ」
「そうよね。旧式の古い技術で誤魔化そうとしてる、役に立たない部署ね。いい?あなたの会社のWEB上のシステムって最低よ。使いにくいったらありゃしない。明らかに他社より見劣りするのわかってる?」
もう、手厳しいったら。
「分かった。一度ここに来てもらって。話を聞くわ。あんたの頼みなら、社員の一人くらい何とかする」
「何とかして頂戴。彼は、単なる社員じゃないのよ。技術者300人雇うより価値があるの。自由にやらせてあげてそうしたら、きっとあなたの会社にとっていい結果になる」
「あのねえ、こっちにだって事情が」