男嫌いな女王様とクールな臣下
「朱音に会いたかった」
「ええっ?」
「私たち。ずっと友達だったでしょ?」
「うん」
「かけがえのない友達。私にとって大切な二人のうちの一人。私、あなたとの間に、壁を作りたくないの。前と同じように、なりたい」
彼女のまっすぐな目。
人を引き付ける言葉。
全部好きだった。
こんなふうになりたいと思った。
彼女に対する思いは、そこが原点だったのかもしれない。
自分にないものに強く引かれる。
そうだったのかもしれない。
「わかったよ。引き受ける。いつでもいいから連絡して来て」
「うん」