男嫌いな女王様とクールな臣下
春妃と仲直りが出来た。

その余韻に浸っていた。




「やっぱり、お顔の色がよくなってますね。恩田様に会われた効果は、計り知れないですね」

朱音は、デスクの前に立った老人の顔をチラッと見る。

まさか、役員の誰かに頼まれて春妃を連れて来たとか?

ああ、もう。
考えすぎるのは止めよう。

ただでさえ、人の行動の裏側、発せられた言葉の意味に含まれた気持ち。

そんなのばかり考えてる。
情報を精査し、人と会って、重要な決断をする。

「B.C. Building Inc.」のプロジェクトに手を出してからは、仕事量の量が倍増している。
まさに、怒涛のような一日。

影山が横にいて心配するのも無理はない。

「んん……」さすがに疲れてたのかな。
朱音は腕を伸ばして伸びをする。

知らない間に、夜になっていた。
さっきまで薄明りの空に、街の明かりが滲んでいたのに。
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