男嫌いな女王様とクールな臣下
「影山?今日は、これで終わりだっけ?」
今日こそは、自宅に帰ってゆっくりしよう。
バスオイルの2本セット。 買っただけでまだ使ってない。たっぷり入れてみようかな。
ゆっくりお風呂に浸かってリラックスしよう。
本当なら、春妃とビール飲みたいんだけどな。
「残念ですが、お昼過ぎに予定が入りました。すでにお伝えしてありますが、お忘れでしたか?」
「聞いてない」アロマオイルが遠のいていく。
「でしたら、あらためて申し上げます。大平銀行会長、宇月様から今夜是非にとお申し出がございまして」
「影山、私の記憶が正しければ、宇月のおっちゃんとは、先週会ったはずだけど」
朱音はがっかりして、社長の椅子にドサッと座り込んだ。
「はい。それで、近いうちに是非にと言うお約束でございました」
朱音のパフォーマンスを無視して影山が答える。
「近いうちにって、会ったの先週だよ?いくらなんでも早くない?」
朱音が焦れて、椅子を座りながら回しだした。
「社長のことそうとう気に入られたようですね」
影山は持ち上げるように言う。
「気に入られたって、宇月のおっちゃん影山と同じくらいでしょう?」
「宇月様の方が2年先輩でございます」
影山が恭しく頭を下げる。