男嫌いな女王様とクールな臣下
お嬢様社長と下僕たち
赤坂の料亭。
店は祖父の代から贔屓にしている。
でなければ、こんな一流の店は、朱音みたいな年の娘など相手にしない。
影山に連れられ、店に続く小道を通り抜ける。
入り口は、普通の小料理屋のように目立たない。
朱音が引き戸を引くと、さっとお店の女将さんが出迎えてくれた。
「いらっしゃい。朱音ちゃん、また大平の宇月さんと?」
「女将、そうなのよ。よろしくね」
「ええ、お料理のお品、変えときましたよ」。朱音ちゃんの好きなもん入れときましたから」
「ありがとうね」
朱音は、「後で部屋に遊びに来てよ」と言って女将に抱き着くと、
女将も、「わかった」と言って娘のような朱音を抱きしめた。
朱音は、女将に案内され、質素な畳の部屋に通された。
「宇月さんは、もうすぐおつきになりますよ」
女将はそう言い残して挨拶すると、ふすまを閉めて行ってしまった。
「何だろうね。時間を空けずに、すぐに席を設けたいだなんて」朱音は思ってたことを口にした。
「さあ、私にもわかりかねます」後ろからついてきた影山が言う。
「先週会った時に、ほとんど決めたはずなんだけど。まだ、はっきりしてなかったことがあったのかな」
念のため、朱音もここに来る前に、会社状態を確認してきた。
それだけじゃなく、顧問弁護士の榎田に話をして、表立ってない情報で何か気になるところはないか、調べてもらった。
「特にございません」榎田の返事は、何度聞いても同じだった。
店は祖父の代から贔屓にしている。
でなければ、こんな一流の店は、朱音みたいな年の娘など相手にしない。
影山に連れられ、店に続く小道を通り抜ける。
入り口は、普通の小料理屋のように目立たない。
朱音が引き戸を引くと、さっとお店の女将さんが出迎えてくれた。
「いらっしゃい。朱音ちゃん、また大平の宇月さんと?」
「女将、そうなのよ。よろしくね」
「ええ、お料理のお品、変えときましたよ」。朱音ちゃんの好きなもん入れときましたから」
「ありがとうね」
朱音は、「後で部屋に遊びに来てよ」と言って女将に抱き着くと、
女将も、「わかった」と言って娘のような朱音を抱きしめた。
朱音は、女将に案内され、質素な畳の部屋に通された。
「宇月さんは、もうすぐおつきになりますよ」
女将はそう言い残して挨拶すると、ふすまを閉めて行ってしまった。
「何だろうね。時間を空けずに、すぐに席を設けたいだなんて」朱音は思ってたことを口にした。
「さあ、私にもわかりかねます」後ろからついてきた影山が言う。
「先週会った時に、ほとんど決めたはずなんだけど。まだ、はっきりしてなかったことがあったのかな」
念のため、朱音もここに来る前に、会社状態を確認してきた。
それだけじゃなく、顧問弁護士の榎田に話をして、表立ってない情報で何か気になるところはないか、調べてもらった。
「特にございません」榎田の返事は、何度聞いても同じだった。