男嫌いな女王様とクールな臣下


「このところ、社長は働きすぎです。
特にこの「B.C. Building Inc.」のプロジェクトが始まって以来、休む間もありませんでしたから。今日の会議は欠席されて、上でお休みください」
影山に額にぺたんとタオルを置かれてしまった。

朱音は、何とか体を起こそうとする。

まだめまいも悪寒もする。ひどい気分だった。

でも、休んではいられない。

「そうは行かないって。今日は、榎田が話したいことがあるって言ってたし」

朱音は影山に渡された濡れタオルを突っ返した。
絞りが甘くて、水が垂れてくる。

「明日でも、よろしのではないですか?」

「内容によるよ。榎田に確かめるから。んん……」
めまいが再び襲ってくる。

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