男嫌いな女王様とクールな臣下
「社長?痛むんですか?苦しんですか?
どうぞこれからは、お部屋でお休みになってください。
私はこれから会議ですから、この方に上まで付き添ってもらえばいいですね」
影山は、あたふたして朱音と秘書室の間を行ったり来たりしている。
「付き添ってもらってって、面接に来ただけの人に……お前、何言ってるの」
「前野さんは、春妃さんのお知り合いでしょう?
彼女の知り合いなら、まったく知らない仲じゃないんでしょう?」
「ええっ?」前野が驚いた。
「前野さん、社長を見張っててくださいね。これは、早速お仕事です。
この方は、油断するとすぐに逃げ出しますからね。
厳しくベッドに縛り付けて見張っててください。
では、私は、会議に遅れますので、これで失礼します」
「影山、余計なことを……」
「お嬢様、鍵は前野さんにお渡しいたしましたからね」