男嫌いな女王様とクールな臣下
「って言われても……」
前野は、すでに去って行った秘書の後を見つめた。

「申しわけありません。前野さん、あれで悪気はないですから。影山の言ったことは、忘れてください。
医者から解熱剤もらって、私もすぐに業務に戻りますから。今日はこれでお帰り頂いて結構です」朱音は丁寧に頭を下げる。

前野は、仕方がないなと少し首をかしげて言った。

「秘書の言う通り、君には、どう考えても休息が必要だよ。さあ、荷物持って。部屋まで送るから」

「えっと……
本当に。影山のことは、気にしないでください。面接したばかりの人に、何言ってるんだろう」


「いいですよ。帰るついでにエレベーターで上がるだけすから?何の問題もありませんよ」

「ええっと……」

「立てますか?」

「はい」

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