お見合いですか？

　彼女に何と声をかけていいか分からず、取り敢えず、寝室の電気を付けた。明るくなった事に気付いた彼女が、俺を見る。

　「どうしたんだ？今日の会議で何かあったか？」取り敢えず、一番の心当たりを聞いてみた。
彼女の隣に腰掛けて、顔を覗き込んだ。
彼女は、慌てて顔をあげて、「会議のことは、大丈夫です。覚悟してたから。」と言った。

　「じゃあ、なんでそんなに落ち込んでんだ？」
訪ねると、また俯いて黙ってしまう。
何だってんだ？
仕事じゃなきゃ、何で悩んでいるのか解らない。
そっと、彼女の手を握る。
彼女は、ビクッとした後、俺の手を振り払った。
そこで、今までの違和感が蘇った。
二日振りに会えたにもかかわらず、どこかよそよそしかった。もしかして、、、
「俺が原因か？」そう、呟いていた。

　彼女が、ハッとしたように俺を見た。

　ああ、そうなんだな、そう確信した。
「俺が何かしたか？・・・愛実、話てくれないか？じゃないと、俺は気になって、明日、仕事どころじゃなくなる。」
　少しずるかっただろうか、仕事のことを持ち出せば、答えてくれる気がした。
　
　暫くして、答えが返ってきた。

　「昨日の夜、悠斗さんに電話したんです。。
そしたら、、、女の人が出たんです。。」
泣きそうな声だった。

　「は？・・・いや、ちょっと待ってて。」
慌てて、着信履歴を確認した。
確かに、昨日の夜、愛実から着信があった。
不在着信になってないから、お知らせランプも点かず、気付かなかった。