お見合いですか？
　　お昼休みに、真理さんにつかまった。
社内の小さな応接室を借りて、お弁当を広げた。午後から、工場なので、お弁当にしている。
だって、工場に入るのに着替えとかしなくちゃならないのだ。

「で、なんでそんなに落ち込んでるのかしら？先越されたのが、そんなにショックだったの？」
「いや、先こされたのは、別にいいんです。そこは、嬉しいんです。
ただ、弟の相手が私の友達で、同級生なんです。」
「それが嫌なの？」
「いえ、違います。そこは全然嫌じゃないんです。ただ、弟が結婚決めたのって、彼女が30になる前に結婚したいって言ってたからなんです。」

　「へー、いい弟さんじゃない。何が不満なの？」
「はい、我が弟ながら、いい男だと思います。そこは、関係なくて、、ただ、30才って、そんなに焦る年なんでしょうか？私も来月30才になるんです。そう思ったら、なんだか急に、、んー、、取り残された感じ？がして。。」
「ああ、そういうことかぁ。でも、愛実ちゃんにはもう、悠斗がいるじゃない。」
「そうなんですけど。。。」

　「もしかして、お友達が羨ましいとか？」
「はぁ、・・・多分。羨ましいのかもしれないです。そこまで想われてる自信ないですし。」
結局は、自分の気持ちの問題なのかもしれない。
　「愛実ちゃんの立派な弟さんと、悠斗を比べちゃダメよ。悠斗って見た目と違って、ヘタレだからね。」
「え？ヘタレとは思ったことないですけど。。」

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