お見合いですか?
 「そう言えば、森高さんのご両親はなんて仰ってるの?」、お母さまの攻撃は続くようだ。

 ああ、せっかくの料理が不味くなるじゃん。と、思いながらも、「うちは、悠斗さんなら、安心だと言ってました。」作り笑顔100%で、答えた。微妙に息子を持ち上げたのに、

 「まぁ、そうなの?でも、あなた、年齢的にも急いだ方が良いんじゃない?ご両親も本当は心配してるんじゃないのかしら?」
この返し、どんな返しがきても、話の着地点は、変える気がないようだ。取り敢えず、怒鳴っていい?
いや、無理か、流石に大人だし。。。

 「私の両親は、私が幸せならそれでいいと言ってくれてますから。」
引きつった笑顔100%で、言い返した。

 「まあ、美奈子、今時、同棲なんて珍しい事じゃないだろう、なにより、悠斗が決めた事だ。見守ってやろうじゃないか。」
と、社長が、なんだか締めたところで、デザートが運ばれて来た。
 苺のムースと、レアチーズケーキにも苺のソースが掛かっている。本物?もある。
大好きな、苺がいっぱいだ。
キラキラした、デザートに目を奪われて、何か
引っかかった事を忘れた。

 取り敢えず食べよう。
この時期の苺は、甘くて美味しい。
味わってたべていると、「俺のも食べるか?」と、隣から聞こえた。
「いいんですか?」
「ああ、甘いものは、あまり好きじゃない。」
まぁ、ケーキ作ってる食品会社の社員なのに、好きじゃないとは・・
まっ、いっかぁ。
貰えるのは嬉しいから、本物の笑顔100%で、言った。「ありがとうございます。」
彼は、デザートを器用に私の皿に乗せてくれた。

 そう言えば、社長が言ったんだ。
んっと、確か、悠斗が決めた事だって。

ドウイウコト?
デザートを食べ終わっても、なんだかスッキリしないまま、食事会は終了した。
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