お見合いですか？

　夕飯も、お風呂もすました後。
ソファーに座ったまま、封筒見つめた。
「よしっ」と気合いを入れてから中身を確認した。
「良かった～、大丈夫でした。悠斗さんはどうでした？」最後の方は、声が小さくなった。

　一人掛けのソファーに座っていた彼は、はいと言って封筒を渡してきた。
早速、中身を取り出し、確認する。
良かった、彼も問題はないようだ。

「これで解禁だな。」
彼は、ニヤリと笑って言った。

「そ、そっそうですね。」
いきなり、心臓が騒ぎ出した。
あっ、そうだよー、もう、そういう事されても文句言えないんだよ。どどどうしよう。
凄い、緊張してきた。

すると、盛大な溜め息を吐き出された。
「あからさまに、固くなるな。割とヘコむ。」
「ごめんなさい。」固まってるのがバレバレって、恥ずかしい。
シュンとして俯いていると。
彼が隣に座ってきた。
「愛実」と呼ばれて、恐る恐る顔をあげる。
頬に手を伸ばされて、ああ、もう、そういうテンカーイ！と、やっぱり固まる。
やわやわと頬を撫でられる。くすぐったくって顔をしかめた。
はぁーとまた、溜め息を吐かれた。
「わかった、週末まで待つ。」
そこで、彼は少し意地悪そうに笑ってこう言った。
「覚悟が出来たら、愛実から俺の部屋に来い。」
「夜這いしろってことですかー？」
恥ずかしくて、そう言ったら大笑いされた。
「夜這いって、はっははははっは、やっぱり、婆ちゃんみてぇ。」
だから、婆ちゃんって・・・
「ハードルが高すぎます。」ぽつりと言ったのだが、隣に座っている彼には聞こえていたらしい。
「ふ～ん、今日だったら、連れってってやるけど？」
手の甲を撫でながら、耳元で言われた。
小刻みに震えながら、首を横に振ることしか、出来なかった。