お見合いですか？

「イヤ～、アイツも考えたね～。でも、週末までって事は、週末は襲われちゃうってこと？」有希さんは、サラッと恐ろしい事を言った。
「ああぁ、そこまで考えてなかった～。どうしましょう。有希さ～ん。」
「はぁん、そんなんとっとと覚悟決めて、やっちゃえば良いじゃん！勝負下着でも着けてさぁ」さも、面倒くさそうに答えられた。

翌日の昼休み、会社の休憩スペースであからさまな会話を繰り広げている。
というのも、今日の朝から暗い顔で溜め息を吐いていたところを、彼女に突っ込まれて、「人前じゃ話せないです」と言ったら、今日は私たちしか居ないから、会社で食べようということになった。

　「はぁ～、勝負下着って必要ですかね？」
「うーん、気分は上がるんじゃない？」
そんなものかしら？

　今日は定時で上がり、車で帰る事になった。
支社長は、接待らしい。
新商品のサンプルを持って、スーパーを廻っていたが、スーパーの人に捕まったらしい。
今までも、何回かこういう事があったけど、代行で帰って来てたのに、なんでだろ？
代行より、タクシーの方が安いのかな？
と言うわけで、今私は、デパートの下着売り場にいる。ここは、駅から少し離れているので、駐車場がある。
　
　うーん、勝負下着ってどんなやつに　すればいいの？赤とか？黒とか？
迷っていたら、声をかけられた。
「どんな物をお探しですか？」
店員のお姉さんが微笑んでいる。
「えっと、見栄えのいいものを・・」
「では、こちらのシリーズは如何ですか？」
と、店員さんに案内されたのは、CMでもお馴染みのものだった。要は胸の谷間が綺麗に出来るってやつよ。
「出来れば、ノンワイヤーで・・」
だって、ワイヤー入りのブラをお風呂上がりに着けたくないし、何より、ワイヤー入りは外した時の落差が激しい。
「では、こちらになりますね。」と店員さんが移動する。
「こちらなんかは、レースが凝っているので、お胸も綺麗に見えますよ。」
「おっ、いいですね。」色で迷ったけど、やっぱ白にした。まぁ、白の下着が嫌いな男はいないだろう、という独断だ。