お見合いですか?
 亭主元気で外が良いっていうけど、たまにはそう思うよね~。
今日は悠斗さんが遅くなるし、夕飯もいらないから、デパ地下のお惣菜で一杯やっている。
はぁ~、気楽でいい~。
お風呂にのんびり入ってから、呑めるこの幸せ。やっぱ、1人っていいわぁ。
なんて、思っていたのに、流石に帰りが遅いと気になる。というか、寂しい。
もう、お惣菜も食べ終わって、テーブルも片付けて、もう先に寝ちゃおう!とテレビを消した頃、鍵を開ける音がした。

 寂しいモードに入っていた私は、玄関に行き、「お帰りなさい」と声を出した。
「ただいまぁ」と抱きついてきた彼は、少し酔っているのだろう、足元が覚束なかった。

 「ん、悠斗さん、どこで呑んでたの?」
抱きつかれたとたんに、香水の匂いがお酒の匂いに混じってした。
「んああ、キャバクラ。」平然と答える彼に腹が立った。
「ん、もう、離してください。先に寝ます。」
無理やり、彼の腕をほどいて、自室へ向かった。

 「何で朝から機嫌が悪いんだ?」彼は、心底解らないという顔で、訊いてきた。
「そんなことありませんよ、それより早く食べましょう。」
素っ気なく返して、黙々と食べた。
なんか嫌だ、昨夜からなんか嫌だ。
そりゃ、接待とかでキャバクラとか行く事もあるんだろうけどさぁ。
何か、嫌じゃない?つき合ってる人が、キャバクラ通いしてるって。いや、通ってるって訳じゃないと思うが、、でも、なんか嫌だ。
何故?
そう言えば何でこんなにムカついてるんだろう?
怒りが、疑問に変わる頃、会社に着いた。
車を降りようと、シートベルトを外した時、
「愛実」と呼ばれ、ん?という感じで、首を傾げ、彼を見た。
「もしかして、妬いてんの?」と言われた。

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