お見合いですか?
 「このパーティーに礼央君が来るの?」
食べ終わったパスタの皿を、少し端に寄せて、明日香から渡された、封筒の中をみた。

「来るとは言ってない。もしかしたら、いるかもしれないけど、でも、そのレオ君の事を知ってる人は、いるんじゃない?絶対いるとは言えないけど。」

「なる程、確かに。同業者なら知ってる人がいるかもね。・・・よし!なんとか都合付けて行くね。ありがとう明日香!」

 招待状を受け取り、明日香と別れた。
パーティーは、来週の木曜日だった。

 「休暇願?なんで?愛ちゃん何か用事あるの?」
まさか、私が平日に休むなんて思っていなかったのだろう。
有希さんは、驚いた様子で聞いてきた。
明日香と別れてから、会社に戻って直ぐに、有希さんに休暇願をどう出せばいいのか聞いてみた。

「はい、来週の木曜日に休みたいんですけど。
ちょっと友達にパーティーに誘われて。」
そう言って、明日香に貰った招待状を見せる。 「へー、ニューオープンねぇ。そう言えば、再開発してたもんねこの辺。で、何で行きたいの?」
「ああっと、話題のケーキ屋さんだし、視察的な?」
「そんなことで、わざわざ休まないでしょ、愛ちゃんは。何かあるんでしょ?」
「ちょっと、事情があって・・・」
それ以上は、言えなくて曖昧に笑ってごまかした。有希さんも、それ以上聞いてはこなかった。

 はぁ~、何となく気が重い。
休暇願は、支社長に提出しなければならないらしい。
休暇理由をなんて書いていいか分からず、視察の為、と書いてしまった。
書き終えた休暇願を、支社長のデスクの上に置いておいた。

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