副社長と愛され同居はじめます
ふ、とお互いに緩く微笑みあった。



「今日、室長さんに仕事用のタブレットもらってきた」

「……そうか」

「で、タブレットの使い方を教えてもらって、秘書って具体的に何をすればいいのか聞いて」



まず第一にやらなければならないことで私にできることは、何か。
スケジュール管理、取引先とのメールのやり取り、他にもいろいろあるけれど、付け焼刃でできることは少ない。


だからまずは、手を付けられるところからやるしかない。



「室長に聞いたら、副社長は今まで秘書を置いてなかったって。全部、ご自分でしてたんですか」



だから、毎日の業務で何をサポートしていくのかは成瀬さん本人に聞いた方がいいと言われたのだ。



「私では至らない面が多々あると思いますが、一から勉強します」



だから、よろしくお願いします。
と、頭を下げる。



「最初から、何もかも頼もうとは思ってない。まずはスケジュール管理と、電話の応対をできるように頼む」

「え……? でも、取引先なんかは海外が多いからって室長が」



そう、ナルセ商事の取引先は国内外問わず多い。
だけど、副社長に直接かかってくるのは殆どが海外のものだと聞いた。


私は英語が好きだったけど、流石にビジネスの会話となるととてもじゃないが自信はない。



「小春は大学で英文科に通っていたんだろう。英語を勉強したいんじゃなかったのか」


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