副社長と愛され同居はじめます
「あの……ちょっと」

「なんだ」

「……離れません?」



なんか、無性に熱いというか気恥ずかしいというか。



「嫌だ」

「えぇぇ……」



脱力して、抱き合ったまま彼の肩に再び頭を預ける。
顔を見ないままの、余りにもぶっきらぼうな告白はまるで中学生のようだった。



「そろそろ教えてくれませんか。成瀬さんがどうして私を知ってるのか」

「小春が好きになってくれたら言う」

「好きです」

「却下」



くすくすと笑うと、首筋に吐息が当たってくすぐったい。
それだけじゃなく、ちゅ、ちゅ、と水音を弾ませて首筋から耳へとキスが辿って上がり、それから唇が重なった。


顔を合わせて告白するのは気恥ずかしいけど、キスは別もの。


大人になるほど人は不器用になるものなのかと、そんな気がした夜だった。


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