君は誰のシンデレラ?



「そうですか。その格好じゃ寒いでしょうし

会場まで、私にエスコートさせて頂けますか?」


「?奥様が会場でお待ちなのでは?」

突然投げかけられた言葉に戸惑いつつ、名前も素性も知らない方になんと返していいのか分からず

つい質問してしまった


「いえ、自分はまだ未婚ですし、フィアンセもいないのですよ。

今日は友人が久しぶり顔を出すと言うので来たのですか、仕事が長引いてしまって、

ついさっき着いた所なんですよ」


わざとらしく疲れたような物言いについクスクスと笑ってしまった


「それでは、お願いしてもよろしいですか?」


「ええ。」



彼の腕に手を添えて会場まで、案内して貰う


服の上からでも伝わるたくましい腕に安心感を抱いてしまった


< 9 / 13 >

この作品をシェア

pagetop