和花葉さんは今日も
夏旺ん
あの雨の日に、和花葉さんとコーヒーの店に行くことが決まったわけだが、その週の土日は彼女に用事があったみたいで、来週に行くことになった。
そして、コーヒー屋に行く週には、水曜日から二日間にわたって、球技大会があった。
今回の種目は、バレーボール、ソフトボール、ドッジボール。
ちなみに、この高校は一年に二回、球技大会がある。
俺はソフトボール、和花葉さんはバレーに出るらしい。
バレーは女子限定、ソフトボールは男子限定、ドッジボールは混合という、よく分からない構成だ。
二日間もあるのは、一日目のリーグ戦の結果をもとに、二日目のトーナメント戦の組み合わせを決めるという風になっているからだ。
はっきり言って、球技大会なんて三学年のクラスが上位を占め、高校生活最後の一年を楽しむイベントにすぎない。
たまに、下克上を起こすクラスもあるが、表彰式のときに三年生から睨み付けられて、折角の上位入賞も後味の悪いものになってしまう。
だから一、二学年のうちは、なんとなく戦って、なんとなく負けて、なんとなく他チームの応援をしてやり過ごすのが利口なのだ。
というわけで、球技大会二日目の今日。
無事、ソフトボールチームは二回戦で敗退し、俺は他のクラスの試合を見ることもなく体育館裏へ来ていた。
他の種目の戦況をクラスメイトに聞いたら、バレーは一回戦敗退、ドッジボールは二回戦敗退だということ。
なんとなく戦って、なんとなく負けた方がいいとは言ったが、それにしてもうちのクラスは球技大会に対する意欲がないなと思った。