和花葉さんは今日も
「私達、一回戦で負けちゃったんだー」
「……和花葉さん、バレーも得意でしょ」
「得意ってほどでもないよ。人並み」
彼女は謙遜して言うが、こちらの得点のほとんどは、和花葉さんが取っていたと笹木から聞いた。
あいつも俺と同じ、ソフトボールだったのだが、いつの間にバレーの試合を見に行っていたのだろう。
「……やっぱり、得意な人がいるってだけじゃ勝てないね。チームワークって本当に大切なんだなって思った」
そう言う彼女は、少し悔しそうに見えた。
「……それを、来年に生かせられればいいんじゃないか」
悔しいって思ったんなら、次に向けて頑張れる。
そう伝えると、彼女は顔を綻ばせてうん、と頷いた。
球技大会が終わると、あっという間に夏休みになる。
高校生活、二年目の夏休み。
去年は、休みの始めに二泊三日の勉強合宿があったりした。
それが終わってからは、部活三昧だった気がする。
今年は、一週間、全員参加の補習があるらしい。
去年も思ったが、その一週間が終わるまで、正式に夏休みとは言えないんじゃないかと思う。
部活を退部した今、その後の残りの一ヶ月程、何をしよう。
今、やっているバイト意外にも何か入れようかな。