和花葉さんは今日も
ふと、気になったことがあった。
「和花葉さん」
「ん、何?」
立ち上がろうとしていた彼女は、俺の声に振り返る。
「和花葉さんは……こうやって、俺と一緒にいるの、楽しいか……?」
「へ……?」
まあ、唐突だから驚くのも当然だろう。
「俺は、結構、楽しいと思ってるんだけど」
「……」
彼女は俺の言葉に、目を見開いた。
でもその後に、パッと笑顔を咲かせて、言った。
「私も!」
「……」
「楽しいし、田辺くんと話せるのが嬉しい。……だから、いつでもここに来てくれていいんだよ?」
――彼女には、俺の心配している事なんてお見通しらしい。
気を使って、楽しいと言っているのかもしれないが、その笑顔を今は信じて、彼女の言葉に甘えようと思えた。
「コーヒー屋さんに行くのも、私、すっごく楽しみにしてるんだよ」
満面の笑みで、言う彼女。
――なんだか、顔が熱くなってきた。