キスして?〈短編〉
振り返ると、そこには拓がいた。 


「電話出なかったし、そう言う事か。邪魔して悪かったな。」


「拓ッ!!」


拓は振り返らないまま帰ってしまった。 


追いかけようとしたけど出来なかった。 


言って何になるの?


「ナナちゃんの彼氏?」


さっきの男の人が聞いてきた。…彼氏ぢゃないよね?

拓にとっては家政婦さんだもんね? 


ちがう…そう言いかけた時、腕を強く引っ張られて立たされた。 


「コイツ、俺のなんで手ださないでくれます?」 


その声に振り向くと、さっき帰ったはずの拓がいた。 

「なんで…?」


「彼女が合コン来てんのにほっとけるかよ。出るぞ。」 


そうつぶやいて、私の手を引いて出た。 

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