ムシ女
陽介君の部屋から出られないことには、逃げ道はない。
あたしは机のそばにある窓を見た。
空気を入れ替えるためか、少しだけ開いている。
その隙間から心地よい風が入ってきていた。
あたしはそっとその窓に近づいた。
机から窓までの距離は短い。
今のあたしがジャンプすれば届くくらいの距離だ。
あたしはスッと息を吸い込んだ。
この部屋は2階にある。
今のあたしが飛び降りれば間違いなく死んでしまうだろう。
息を大きく吐き出して窓へ飛び移る。
開いている隙間から見下ろしてみれば、庭の芝生が見えた。
青々と茂った芝生は一見柔らかそうに見えるが、実際あの上に落ちればひとたまりのないだろう。
窓の外になにかないか確認してみたが、地上へ続いているようなものはなにも見当たらなかった。
でも……。
ここで外へ出なければあたしはまた箱の中に入れられることになるだろう。
これからいつまで続くのかもわからない拷問に耐えて生き続けるよりは、外の風を感じて死んだ方がいいかもしれない。
あたしは机のそばにある窓を見た。
空気を入れ替えるためか、少しだけ開いている。
その隙間から心地よい風が入ってきていた。
あたしはそっとその窓に近づいた。
机から窓までの距離は短い。
今のあたしがジャンプすれば届くくらいの距離だ。
あたしはスッと息を吸い込んだ。
この部屋は2階にある。
今のあたしが飛び降りれば間違いなく死んでしまうだろう。
息を大きく吐き出して窓へ飛び移る。
開いている隙間から見下ろしてみれば、庭の芝生が見えた。
青々と茂った芝生は一見柔らかそうに見えるが、実際あの上に落ちればひとたまりのないだろう。
窓の外になにかないか確認してみたが、地上へ続いているようなものはなにも見当たらなかった。
でも……。
ここで外へ出なければあたしはまた箱の中に入れられることになるだろう。
これからいつまで続くのかもわからない拷問に耐えて生き続けるよりは、外の風を感じて死んだ方がいいかもしれない。