ムシ女
☆☆☆
しばらくたっても衝撃は訪れず、あたしは目を開けた。
空が見える。
白い入道雲が梅雨の終わりを知らせているようだった。
眩しくて目を細めた。
その時だった。
急に体が引き上げられて、あたしは悲鳴を上げていた。
「ニャァ」
引き上げられた先にはミィがいた。
ミィは不服そうな視線をあたしへ向けている。
「え……?」
何がどうなってるんだろう?
頭の中が混乱し始めた時、ミィの前足の爪があたしのトンボの羽に引っかかっている事がわかった。
「あ……もしかして、助けてくれたの?」
「ニャァ」
ミィはまるで返事をするように一度だけ鳴いた。
「そんな……」
『助けなくてもいいのに』
そんな言葉をグッと飲み込んだ。
しばらくたっても衝撃は訪れず、あたしは目を開けた。
空が見える。
白い入道雲が梅雨の終わりを知らせているようだった。
眩しくて目を細めた。
その時だった。
急に体が引き上げられて、あたしは悲鳴を上げていた。
「ニャァ」
引き上げられた先にはミィがいた。
ミィは不服そうな視線をあたしへ向けている。
「え……?」
何がどうなってるんだろう?
頭の中が混乱し始めた時、ミィの前足の爪があたしのトンボの羽に引っかかっている事がわかった。
「あ……もしかして、助けてくれたの?」
「ニャァ」
ミィはまるで返事をするように一度だけ鳴いた。
「そんな……」
『助けなくてもいいのに』
そんな言葉をグッと飲み込んだ。