ムシ女
気が付かない
体の熱が冷めた時、あたしはそっと目を開けた。
目の前にいる和と目が合った。
「あ……あれ?」
周囲を見回してみると、大きかった教室はいつも使用していたのと同じ景色になり、和や和の後ろにいる両親の姿も大きくはなかった。
「戻った……?」
呆然とした表情で和が言った。
「うそ、あたし、元に戻ったの?」
自分の体を見下ろす。
さっきまで使っていたガーゼの布団がちょこんとテーブルの上に乗っていた。
着ていた服はそのまま大きくなったようだ。
「百合花!!」
和がそう言い、あたしの体を抱きしめた。
苦しいほどに抱きしめられて、久しぶりに人のぬくもりを感じることができたのだった。
目の前にいる和と目が合った。
「あ……あれ?」
周囲を見回してみると、大きかった教室はいつも使用していたのと同じ景色になり、和や和の後ろにいる両親の姿も大きくはなかった。
「戻った……?」
呆然とした表情で和が言った。
「うそ、あたし、元に戻ったの?」
自分の体を見下ろす。
さっきまで使っていたガーゼの布団がちょこんとテーブルの上に乗っていた。
着ていた服はそのまま大きくなったようだ。
「百合花!!」
和がそう言い、あたしの体を抱きしめた。
苦しいほどに抱きしめられて、久しぶりに人のぬくもりを感じることができたのだった。