ムシ女
陽介君は首を傾げたままあたしを見ている。


「なんで、こんな事になってるの?」


あたしはもう一度そう聞いた。


「あぁ。だって、しばらくは帰れないだろ?」


「帰れないからって……」


なんで瓶の中に?


疑問しか浮かんでこない。


だけど、怖くてそれを聞く事ができない。



「で、電話は通じた?」


あたしは話題を変えてそう言った。
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