ムシ女
気持とは裏腹に、逆隣の棚が倒れる音がした。
薬品が次々と棚から飛び出し周囲に転がる。
透明な液体が混ざり合い、色が付く。
それが体に害があるのかどうか、あたしには見当もつかなかった。
両隣の棚からあふれ出た薬品が、地震の揺れで左右に流れる。
それはあたしの足元まで流れてきた。
咄嗟に身をよけようと、テーブルの足から手を離した。
瞬間、さっきまでより激しい揺れが襲いかかりあたしの体はテーブルの下からはじき出されてしまったのだ。
床に流れた薬品が体にまとわりつく。
そんな中、1つだけ残っていた棚が大きく傾いてくるのが見えていた。
まるでスローモーションのように、ゆっくり、ゆっくりとあたしに迫ってくる。
こんなにゆっくりに見えているのに、自分の体を動かす暇なんてどこにもなかった。
気が付けばあたしは床に横倒しになり、意識を失っていたのだった……。
薬品が次々と棚から飛び出し周囲に転がる。
透明な液体が混ざり合い、色が付く。
それが体に害があるのかどうか、あたしには見当もつかなかった。
両隣の棚からあふれ出た薬品が、地震の揺れで左右に流れる。
それはあたしの足元まで流れてきた。
咄嗟に身をよけようと、テーブルの足から手を離した。
瞬間、さっきまでより激しい揺れが襲いかかりあたしの体はテーブルの下からはじき出されてしまったのだ。
床に流れた薬品が体にまとわりつく。
そんな中、1つだけ残っていた棚が大きく傾いてくるのが見えていた。
まるでスローモーションのように、ゆっくり、ゆっくりとあたしに迫ってくる。
こんなにゆっくりに見えているのに、自分の体を動かす暇なんてどこにもなかった。
気が付けばあたしは床に横倒しになり、意識を失っていたのだった……。