ムシ女
「お前に見せたいものがあるんだ」
陽介君はそう言うと、引き出しから何かを取り出した。
歪んで見えるそれは、スケッチブックだった。
「俺は絵を描くのが好きなんだ」
そう言い、スケッチブックをあたしに見せてくる。
書かれていたのは昆虫だった。
細かい部分まで忠実に描かれていてその画力も相当なものだとわかった。
だけど……その昆虫の体は全裸の女性だったのだ。
女性の体に蝶の羽が生えていたり、ハチの針がついていたりする。
「なに、これ?」
「『ムシ女』俺が名づけたんだ」
分厚いスケッチブックには陽介君の考えた『ムシ女』たちが描かれている。
どれもとても綺麗で魅力てきだった。
けれど中には『ムシ女』の体にピンが突き立てられ、標本になっているイラストもある。
それが妙にリアルであたしは思わず顔をそむけてしまった。
陽介君はそう言うと、引き出しから何かを取り出した。
歪んで見えるそれは、スケッチブックだった。
「俺は絵を描くのが好きなんだ」
そう言い、スケッチブックをあたしに見せてくる。
書かれていたのは昆虫だった。
細かい部分まで忠実に描かれていてその画力も相当なものだとわかった。
だけど……その昆虫の体は全裸の女性だったのだ。
女性の体に蝶の羽が生えていたり、ハチの針がついていたりする。
「なに、これ?」
「『ムシ女』俺が名づけたんだ」
分厚いスケッチブックには陽介君の考えた『ムシ女』たちが描かれている。
どれもとても綺麗で魅力てきだった。
けれど中には『ムシ女』の体にピンが突き立てられ、標本になっているイラストもある。
それが妙にリアルであたしは思わず顔をそむけてしまった。