ムシ女
☆☆☆
あたしのトンボの羽が付けられてから、一週間が経過していた。
トンボの羽は蝶よりも頑丈で、陽介君につまみあげられても破れることはなかった。
陽介君はそれが気に入ったようで、トンボの羽を付けたあたしの写真を何枚も何枚も撮っていた。
陽介君が機嫌がいい日は、あたしが危害を加えられることがない。
ここ一週間ずっと機嫌のいい陽介君は、あたしにティッシュ箱を半分切って作った家をくれた。
床にティッシュを引き、箱の隅っこにはビニール袋のトイレもある。
2日に1度は石鹸を使って体を洗う事もできていた。
足の傷や背中の傷は徐々に小さくなっていたが、またいつ陽介君が気まぐれに傷つけてくるかわからないと感じると、安心して眠ることはできなかった。
そして、今日。
陽介君はいつもより早い時間に起きて制服に着替えはじめていた。
久しぶりに見る制服にあたしは戸惑っていた。
「今日から学校が再開される」
すべての準備を整えた後で陽介君はそう言った。
「え……?」
あたしは驚き、目を見開いた。
今日から学校?
当然ながら、初めて聞く事だった。
「俺は学校へ行く。その間、お前はここで大人しくしていろ」
陽介君はそう言うと、半分に切ったティッシュ箱の上半分を手に取った。
あたしは箱の部屋の中で後ずさりをする。
あたしのトンボの羽が付けられてから、一週間が経過していた。
トンボの羽は蝶よりも頑丈で、陽介君につまみあげられても破れることはなかった。
陽介君はそれが気に入ったようで、トンボの羽を付けたあたしの写真を何枚も何枚も撮っていた。
陽介君が機嫌がいい日は、あたしが危害を加えられることがない。
ここ一週間ずっと機嫌のいい陽介君は、あたしにティッシュ箱を半分切って作った家をくれた。
床にティッシュを引き、箱の隅っこにはビニール袋のトイレもある。
2日に1度は石鹸を使って体を洗う事もできていた。
足の傷や背中の傷は徐々に小さくなっていたが、またいつ陽介君が気まぐれに傷つけてくるかわからないと感じると、安心して眠ることはできなかった。
そして、今日。
陽介君はいつもより早い時間に起きて制服に着替えはじめていた。
久しぶりに見る制服にあたしは戸惑っていた。
「今日から学校が再開される」
すべての準備を整えた後で陽介君はそう言った。
「え……?」
あたしは驚き、目を見開いた。
今日から学校?
当然ながら、初めて聞く事だった。
「俺は学校へ行く。その間、お前はここで大人しくしていろ」
陽介君はそう言うと、半分に切ったティッシュ箱の上半分を手に取った。
あたしは箱の部屋の中で後ずさりをする。