喜怒哀楽が、全てのものが帰ってきたら・・・
「・・・あの」
こいつは少しの間黙り込んだと思ったらとても小さな声で喋った。
「今、親は旅行に行ってまして、家にはいないかと思います・・・」
「まじか。」

ヤバイな、こいつの家に誰もいないのなら熱が出たまま家に返すわけにもいかないし
「あっ、ご、ごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさい。」

・・・意味が分からない
「今何で謝ったんだ?」
別に変なことを言ったわけでもないし謝るようなことは少しもなかったはずだ。
「えっ、だってそれは・・・その。」
・・・少し苛々してきた
「お前は俺に謝らないといけないような事をしたのか?」
「いえ、それは・・・」
「どっちなんだ。」
「し、してないです…多分。」
多分って
「何もないなら謝らなくていいだろ。」
「は、はい、すみません・・・。」
「お前さっきからすみませんって、それ癖か?」
「えっと、何が・・・ですが?]
あー、こいつ自分の癖に気付いていないタイプか?
まあ癖かどうかは分からないが
「いや、別にきにするな」
「わかりました。」

・・・5分たったか

「おい、りの」
「は、はい、何でしょうか?」
「さっき服が乾いたか聞いてから5分たったが服、乾いたか?」
まあ、5分位で服が乾くはずがない
「あ、えっと少しかわきました。」
「まったく濡れてないのか?」
「あっ、えっと・・・まだ少し濡れています。」

やっぱり
そう思いながら俺は小さくため息をついた
「分かった、りの」
「はい、何でしょうか?」
「着替えてこい。」
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