苦手だけど、好きにならずにいられない!
One year after the
1年後。
朝の7時にビーチを散歩するのがベリベリ島移住1年目の私の日課。
ベリベリ島にBeriberi Royal Resortがオープンして1年。
この島がパイナップル畑になる心配はない。大人気のリゾート地として予約は半年待ちの大盛況ぶりなのだから。
エメラルドグリーンの海へ伸びる長い桟橋の果てには、豪華客船『ベリベリ・ヴィーナスBeriberi Venus』号が瀟洒な佇まいを見せている。
シップホテルとして、この地で第二の人生を送るこの船は美しい老婦人のようだ。
何度見てもいつ見ても飽きない。
私とこの船は戦友みたいなものかもしれない。
1年前、せっかく手付け金を払ってまで押さえていたマンションに私が住むことはなかった。
ベリベリ島から帰国した私は、自分でも呆れるほどベリベリ島が恋しくて仕方なかった。
たった三泊四日の滞在で島のトリコになってしまったのだ。