苦手だけど、好きにならずにいられない!
「デレクのだけれど、彼には若過ぎるからあなたに差し上げるわ。
莉子、そのペンダントは私からのプレゼントよ。
さ、それを身に付けて支度をして。
忙殺されていて莉子の歓迎会をやっていなかったことに今朝気付いたの。
断る理由はないわ。
Hey,lady&gentleman come on!」
「すげーな…俺、フォアグラとかキャビアとかトリュフとか初めて食べたわ…お前もだろ?」
「私、フォアグラとキャビアは食べたことありますよ!一緒にしないで下さい。一応飲食の仕事してたんで」
料理は間違いなく美味なのだけれど、色取り取りの照明とアンティークを巧みに配置した斬新なインテリアに私は、いたく感動してしまった。
ここが日本だということもまだ午後2時という中途半端な時間だということも忘れてしまう。
「トリュフは初めてか…
……どう、良かった?初体験」
寺島先輩の目がトロンとしてる。
ん?まさかセクハラする気?
私はチョコレート・スフレをもぐもぐしながら、先輩を軽く睨んだ。
「おー、ごめん、そんな意味じゃ。誤解しないでくれよ」
先輩は少し酔ってる。ランチが始まる寸前にソムリエが高価そうな赤ワインを持ってきたのだ。