苦手だけど、好きにならずにいられない!


海外出張が多いデレク社長の代行を片腕敏腕秘書のナオミ・ヒルがするのはいつものこと。

ナオミは年齢不詳、日英ハーフでブルネットのグラマラス美人。

今頃、濃いめのアイシャドウ、真紅のリップ、黒ストッキングの綺麗な脚を組んでおじさま連中を悩殺してるんだろうな。
ワインと美味しいものが大好き。

花束なんてゴミにしかならないからいらない、と言い放つ豪快な面も。姉御肌な彼女を私も寺島先輩も頼りにしてる。


…それに比べて、社長の方はちょっと苦手なんだ。

だって彼、デレク・ワタナベは私が28年間生きていて接したことのないタイプの人種なんだもの。


180センチ超えのガッチリタイプで
ビシッとブランド物のスーツを着こなす男なんて、それだけで人を圧倒するのに、デレクときたら、アメリカ強めのハーフでウエーブのついた栗色の髪、瞳は灰色かがったブルー。俳優並みのイケメンなんだもん。脚なんかめっちゃ長いんだから!

38歳。独身。ニューヨーク生まれシアトル大卒。B.C.Estate agent役員兼務で年収推定一億円。
ニューヨーク、東京、シンガポールに
自宅メンション所有ときた。

子供の頃、日本人のお父さんの仕事の都合で横浜に住んでた時期もあるから日本語はもちろん、日本の文化にも詳しいらしい。
(全部、寺島先輩情報…先輩ってばOLかよ)


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