苦手だけど、好きにならずにいられない!


ラインしても既読もつかない状態だった。

今はそっとしておいて欲しいのかもしれない…
そう考えることにした矢先。

帰宅途中、駅の階段を下りきったところで私のスマホが鳴った。メールじゃなくて電話。

このくらいの時間にかけてくるのはたいていお母さん…と思って画面を見たら
【寺島新太】と表示されていて、大慌てで通話ボタンを押した。電車じゃなくてよかった!


「もしもし!」

『あ、寺島っす。どおも』

なんかこの声懐かしい。

「先輩〜大丈夫ですか?」

『おう。ラインくれてたのにごめん。仕事たまってんだろ?迷惑かけて悪りぃな』

「迷惑なんて。大丈夫です、なんとかなってます」

嘘。一人じゃどうにも捌けない。


『はは。さすが日村。俺よ、明日から仕事行くから』


「えー!良かったあ!助かります〜本当は大丈夫じゃないんです〜ベリロイのホームページあげてから問い合わせとか多くって」

寺島先輩が元気になった!
人目も構わず、嬉しくてぴょんぴょん飛び跳ねてしまった。


『…今日、デレクがウチに来たんだよ』


え、あのデレクが?





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