苦手だけど、好きにならずにいられない!


セミスィートの部屋も想像以上に素敵だった。
なんてったって展望台並みに窓がどーんという感じで大きくて、大都会の夜景が一望出来る。


「すごーい!スカイツリー綺麗ですねー!でっかーい!
あ、あれレインボーブリッジかな?
あ、東京タワーも見える。すっごい!東京の名所、独り占めって感じ!」


きゃあきゃあ騒がすにはいられない。デレクは軽く苦笑しながらネクタイを緩め、腕時計を外す。


「ミス・ヒムラ。レインボーブリッジはあとにして、まずは君のその格好をなんとかしないか?」

デレクの言葉に私はハッと我に返った。
私、前が破れたブラウスにデレクのジャケットを羽織っているんだった!

自分のアパートに一旦戻ったのに、貴重品やら当座の必要なものをバッグに詰め込むのに必死過ぎて着替えるの忘れちゃった。


こんな格好でセレブエレベーターに乗っちゃって…恥ずかしい!


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